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窓辺の春ヘッダー_20210322140446.png

「春に攫われてしまうあなたを、息を呑むほどうつくしいと思ってしまったから。」

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どちらにせよ、幻聴もいい加減にしてほしいものだと、彼女はそう思ってすぐに忘れてしまったに違いない。

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「じゃあ、私からもお花についてお伝えすべきことを、よろしいですか?

ふふ、ほんとうに素敵な贈り物なんですよ。アセビの花言葉は、『犠牲』と『献身』、それから──」

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(またいつか。……できることなら、おまえが蘇る季節に。)

ヴェアドちゃん.png

「……終わってしまったんだな、」

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そうして愛しの窓辺に春が咲き、柔らかな日差しは今日も世界を祝っている。

ニールくん ハムカツ.png

ひとつの執念によって氷に覆われかけた世界のことを。ひとつの執念によって生を取り返した世界のことを。
 時に転んでしまっても、やがて前へ進もうと立ち上がるヒトという生命のことを。

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 敬具

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