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「こんにちは!」
「はい、こんにちは……あなたたちはここの生徒じゃないな。関係者以外立入禁止だ……と思ったけど、
そのナリはあれか、なんだっけ……訪ね人?」
それは学校にいる大人……つまるところは教師だった。
何かに気が付いたようにぱっと顔を上げたローゼスの視線の先には、十字架の傍らにじっと佇んでこちらを見据える骨頭があった。
看護師さんは言葉の代わりに、その四本の腕でめいっぱい語ってくれた。二本で大きく丸を作って、
一本で私に手招きして、もう一本の指す先には掲示板があった。
「む……眠気覚ましかなにかか……。」
「うーん……眠気覚ましにしては当たりが強かったです……」
「アハハ……やられたねえ。」
そして夕星の言葉から一拍ほど遅れて、湖の中からひとりでに音がしたと思うと、
ヒトの形をした白い青年が湖から出てきたのである。
「こんにちは。初めまして。春の下で笑える贅沢な貴方たち。」
「ただいま!」
「お、遅くなってごめんなさい……ひどい目に遭ったわ……」
雪塗れで、元気よく帰還を告げるローゼスと、寒そうに縮こまって小さな声で謝るエマルカ。
いつも通りのふたり。
第三話スチル協力:🐬(@takochankwii)・❸❽(@3838_miyamiya_t)・Nass(@Ashibe_secky)/敬称略
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