窓辺の春
*
「では改めて──旅人組合はヴァンド=レンダーから、ターミナル本部へ報告しよう!」
「……薬は、俺には必要無い。隠し事もしないでくれ、疑いたくないんだ……お前だけは。」
それはニールにとっては異国の探偵小説で、自分の暮らしてきた環境上実際に手に取ったことはなかったが、
今は妙に目を惹いた。
これは本当にかの有名な小説か。そんな疑問を漠然と抱いたのだ。
春を報せる音が耳の奥で鳴り響いていた。
とても安楽に、死んでいた。
ホーム
人物、設定資料
本編
スチル
探索記録
もっと見る